術後合併症にはどんなものがある?
術後出血と、感染、イレウス、あと何があったかな・・・
時期については調べてきた?
時期・・・?まだです、すみません。
時期もわからないのにオペオリなんかしないで!!もう一回シャドーからやり直しな!
このやりとり、
私が1年目のとき経験した
ある場面です。
術後合併症について
調べるときは、
それらの症状の時期を
調べることが非常に肝心です。
今回は、
ベーシックな術後合併症の
時期と看護について
お話しします。
術後全身管理の際に考えるべきこと
前提条件
手術を受けることは
身体に強い侵襲を加える行為。
手術を受けることは
身体に強い侵襲を加える行為。
・手術時間が長い
・既往歴が多いハイリスク患者
・創部が大きい
患者はICUを通してから
病棟へと送られる。
麻酔から覚め、
循環動態が落ち着いてきた段階で
病棟に運ばれるが
必ずしも状態が
落ち着き切った状態ではないことを理解する
何が起こってもすぐに対応できるように準備しておかなきゃね!
術後合併症の時期と原因、それらの看護
それでは
術後合併症の時期や原因を
みていきましょう!
術後合併症 | 合併症が起こる原因 | 何に気を付けるか | 時期 |
術後出血 | ・術中の止血操作不足 | ・高血圧、不整脈、肝障害の有無(肝障害があると、血小板減少、凝固脳が低下により出血傾向を有する)、抗凝固剤服用歴を把握しておく
【検査項目】 出血傾向を来す疾患については桑名先生のページがわかりやすい!→血液性疾患 |
・24時間以内は特に注意 ・初回離床の際 |
急性循環不全 | ・出血による循環血液量減少
・脱水 ・心負荷による心不全 |
・術後輸液管理(In、Out)
・サードスペースの存在 ・浮腫は出てきていないか |
通常1週間前後(術後第2相まで) |
深部静脈血栓症(DVT) | ・手術による凝固能↑ ・脱水による血液濃縮 ・術後胎動↓による血流停滞 |
・弾性ストッキング、フットポンプの使用で予防 ・下腿の浮腫、疼痛はないか |
臥床が長い時 |
無気肺 | ・挿管刺激での気道分泌物の喀出困難 ・術後鎮痛のための麻薬使用での呼吸抑制 ・誤嚥性肺炎 |
・呼吸器疾患(喘息、COPD)喫煙歴の確認 ・酸素吸入量はただいいか ・呼吸音に変化はないか(術前も聞いておこう) ・術前に深呼吸の練習をしておいてもる ・口腔ケア励行 |
臥床時 |
肺炎 | |||
肺塞栓 | ・DVTから起きる | ・初回離床時は必ず胸痛、呼吸困難がないか確認、離床時はサチュレーションモニターつけ歩行 | 初回離床時 |
イレウス | ・開腹手術既往による癒着で起こる単純性腸閉塞 ・手術による麻痺性腸閉塞 |
・適宜体位交換 ・腹部聴診、腹部膨満感、嘔気、排ガスの有無確認 ・ |
発現時期は明確に判定することが難しい |
創感染 | ・手術操作での感染 ・術後の創部汚染 |
・創部に感染兆候ないか(発赤、疼痛、疼痛、腫脹) ・糖尿病の場合はハイリスク |
術後3日~ |
急性腎不全 | ・術後循環血液量減少→腎血流量減少による | ・尿量と血液データに注目
【腎機能】 |
通常1週間前後(術後第2相まで) |
尿路感染 | ・尿バ留置からの逆行感染 | ・なるべき早期尿バ抜去を! ・尿バの配置 ・尿破棄の際の操作 |
尿バ留置中 |
腓骨神経麻痺 | ・手術中の同一体位による | ・帰室時下肢の動き(足趾足関の背屈、てい屈)確認 | 自力で体位交換ができるようになるまで |
せん妄 | ・術後疼痛、不安、環境の変化、低酸素状態 | ・認知症、極度の不眠や緊張がないか把握する ・ライン整理徹底 |
覚醒~術後状態落ち着くまで(疼痛が落ち着き、離床状態が良好になるまで) |
【参考文献】
・イレウスの治療と予防 日本消化器外科学会
・輸液の実際信州大学医学部歯科口腔外科レジデント勉強会
・検査のお話独立行政法人国立病院機構岡山医療センター
術後合併症はもちろん何の手術かで異なる
こう見ただけでもたくさんあるね。一つ一つの合併症の病態も調べたら、すごい量になりそう・・・
うん、たくさんあるからこそ、自分が動きやすいノートを作らないと混乱するよ。
ノートの作り方はこっちを参考に!
基本的な術後合併症を
挙げてみましたが、
これらはもちろん
どんなオペをするのかで
異なりますので
必ず疾患と術式を
調べたうえで、
他にもどんなことが考えられるかなと想像してくださいね!
一般の素人が書き込むのもおこがましいのですが、実は身内が3日前に胆管がんの手術をして、昨日から透析しているのです。
コロナのせいで情報が入ってこなく、調べていてもなかなか情報が得られなかったのですが検索ワード変えてみた結果こちらに辿り着いた次第です。看護側の覚えておかなければいけない内容がまさか心の救いになるのは思ってもみませんでした。
術後の急性腎不全ということが該当するのだと思います。
高齢のためなんとか持ち直してほしいと切に願っています。
幻覚も見ているように思われるため現在両手も縛られているそうです。(点滴管の自己抜針、各種センサーの取り外しを防ぐため)
じゃいあんさん
身内の方のがんの手術から透析、目まぐるしい変化で大変でしたね。手術を受けられた身内の方だけでなく、じゃいあんさんも心身ともに不安な日々を過ごされていることと思います。なぜ現在の治療が身内の方に行われているのか、疑問に思った際は、主治医の先生に説明を依頼しても良いかと思いますよ。もしコロナの影響で面会制限で先生と直接会うのが難しいようなら(今コロナで緊急事態ですので)、他に説明を受ける手段、例えば電話での説明は可能なのか、確認してみても良いかもしれません。身内の方の回復を祈ります。
1か月たちました。気持ちの整理着いたと思うので書き込みました。
残念ながら1か月前に亡くなりました。
胆管がん術後の合併症により回復できずに逝きました。
胆汁が分泌されず、毒素や水分が排出されず、腎機能が失われ人工透析開始。
水分がからだから排出されないため、体全体の浮腫みと肺に水がたまった状態で肺炎。
糖尿疑い、高血圧、不整脈といった術前の疾患あり。
確率50%は手術しちゃダメって思いましたね。
蘇生はできずに、家族にも見守られず一人で逝ったのは残念です。
現場で働いてる看護師さんには頭が下がる思いです。
このような結果にはなりましたが、お役立ちできる内容でしょうか。
肝不全→腎不全→肺炎ここまで術後3日でした。
うまく書けませんが、患者側のリスクと、もし、このような事例に立ち会ったら戒めのために頭の隅にでも入れていただけたら幸いです。
大変苦しい思いをされたと思います。
そして手術を受けた本人さん、医療者、
全員がベストを尽くしていたことかと思います。
50%、違う選択をしていたら・・・
という考えがじゃいあんさんの頭の中に
よぎったりするかもしれません。
ましてや、
亡くなる際家族の顔を見ることができなかった、
大変残念に思う気持ちですね。
ええ、この記事を読む未来の看護師に
じゃいあんさんの体験は
言葉以上に伝わるかと思います。
苦しい気持ちの中、
勇気をもって体験をシェアしていただき
大変感謝しています。
ご丁寧に返信ありがとうございます。
今日ちょっと動きがありました。
まだまだ予断は許されませんが、良くなるように祈るばかりです。
ありがとうございました。